
テルモヒューマンクリエイトのオウンドメディア運営事務局です。今回は甲府医薬品工場 信頼性保証室で働く望月幸枝さんにインタビューしました。育児との両立を考えて一般派遣社員として働くことを選択した望月さん。「きちんと、正しく」が重視される職場で、自身の性格を活かしながら活躍されています。派遣社員としての働き方や、育児と仕事の両立についてお話を伺いました。
「きちんと、正しく」を追求できる今の仕事は、育児の反動で見つけた理想の環境
―― 現在の仕事内容について教えてください。
甲府医薬品工場の信頼性保証室で照査(しょうさ)という仕事をしています。照査とは、安全な医薬品を患者さんにお届けするため、製品が正しく作られているか記録・帳票類を確認する大切な仕事です。私たち照査チームは、製造記録書や試験記録書を判断の基準になるものと照らし合わせながら各帳票を丁寧に確認しています。例えば、製造時に温度管理が適切だったか、各種数値が適切な範囲内であったかなどを確認します。
私が担当しているのは主に腹膜透析液に関する品質記録の照査です。時短勤務で9時から16時45分まで働いているのですが、この仕事を無理なく続けられているのは、チームの柔軟な業務分担のおかげです。
上長は残業ができる人とできない人をうまく組み合わせて業務を配分してくれています。例えば私のように時短勤務の者と、残業可能なメンバーでペアを組むなど、個々の働き方を尊重しながら全体の業務が滞りなく進むよう配慮してくださっています。また、製品によって照査にかかる時間も様々ですので、それぞれの勤務時間に合わせて担当を決めてもらえるのはとてもありがたいです。

―― 今の仕事が自分に合っていると感じる時はどんな時ですか?
照査業務は「きちんと、正しく」が大切な仕事です。もともと生真面目な性格なので、この仕事の進め方は私の性格にとても合っています。
特にそれを実感するのは、育児との違いを感じる時です。育児においては、「だいたいで」とか「赤ちゃんの様子を見て臨機応変に」ということが大切になると思うのですが、私は「だいたいって、具体的にどういうこと?」「臨機応変にってどうすれば良いの?」と困惑することが多くありました。生真面目な性格の私には、次から次へと起きるハプニング、例えば子どもが階段から転げ落ちたり、ジュースをこぼしたり、保湿剤を畳に塗りたくったりと……。予期せぬ出来事への対応が本当に大変でした。
その一方で、職場での照査業務は決められた基準に従って判断できます。いつまでに何を確認するか明確で、正しいものは正しい、正しくないものは正しくないと判断できる。ハプニングの連続である育児での慌ただしさとは対照的な、このように決まった流れに沿って取り組める業務に携わることで、本来の私らしさを取り戻し、心のバランスを保つことができています。
―― 一般派遣で働いてみて、実際どうですか?
最初は不安もありました。事務職の経験が短く、パソコンも苦手。でも、派遣会社が提供してくれるe-learningを活用してパソコンスキルを磨けたり、様々なセミナーに参加できたりと、想像以上に恵まれた環境だと感じています。
特に印象に残っているのは、自分を見つめ直すためのセミナーです。ワークライフバランスを考える機会があったり、更年期やお金に関する実践的なレクチャーがあったり。オンラインで受講できるので、育児中でも参加しやすかったです。
また、働き方への配慮も手厚いです。子育て中ということで、勤務時間を柔軟に調整してもらえました。いまは子どもの成長に合わせて、9時から16時45分にしていただいております。

―― これから派遣の仕事を探している人へアドバイスをお願いします。
派遣社員として働き始めて、想像以上に充実したサポートがあることを実感しています。例えば、THC*は派遣社員一人一人の状況に寄り添って相談に乗ってくれますし、保育園探しの際には内定証明書を出してくれるなど、具体的なサポートもあります。また、勤務時間も柔軟に調整できますし、e-learningやセミナーで自己啓発もできます。
こうした支援体制のある派遣という働き方は、特に育児をしながら仕事復帰を考えている方にとって心強い選択肢の一つだと思います。実際、私も仕事復帰を考えた時は不安でいっぱいでした。子育て中は自分の可能性を過小評価しがちで、部屋を片付けても散らかる、料理を作っても食べてくれない……。そんな毎日を送っていると、自分はもうダメなんじゃないかと思うこともありました。
でも、それは"その時期"だから当たり前のこと。社会に一歩踏み出してみると、少しずつ自信を取り戻すことができました。この経験は、思いがけない形で新たなチャレンジにもつながっています。近隣の図書館で行われていた英語の絵本の読み聞かせを友人から引き継ぎ、5年ほど続けてきました。そして最近、自分の住む地域の図書館でも同じような活動を始められないかと相談したところ、読み聞かせのボランティアサークルが新しく立ち上がりました。まだまだ始まったばかりですが、仲間と一緒に活動の輪を広げながら、子育て中のお母さんたちが気軽に集える場所を作っていきたいという新しい目標も見つかりました。不安を抱えるのは当然ですが、充実したサポート体制を活用しながら、ぜひチャレンジしてみてください。

【 編集後記 】
望月さんのお話から印象に残ったのは、ご自身の性格を活かせる仕事との出会いでした。「きちんと、正しく」が求められる照査の仕事は、生真面目な望月さんの特徴とよく合っているようです。また、チーム内で個々の働き方を尊重しながら業務を進められる職場環境も、仕事と育児の両立に大きな支えとなっているようでした。
そして、仕事に慣れてきた今では、英語の絵本の読み聞かせ活動を地域に広げていこうという新しい挑戦も始まっています。派遣社員としての仕事復帰が、望月さんにとって着実な一歩となり、新たな可能性につながっていく様子が印象的でした。
(※)THC=テルモヒューマンクリエイト株式会社
テルモヒューマンクリエイト株式会社 甲府医薬品工場 信頼性保証室
大学卒業後、英語を活かした仕事を目指して通訳案内士の資格を取得。展示会の説明員や通訳案内士として働いた後、結婚を機に山梨へ戻る。テルモ甲府東工場での勤務を経て、出産・育児のため一時退職。子育てが落ち着いた時期に、THCの派遣社員として復職。現在は時短勤務で品質記録の照査業務を担当している。休日は地域の図書館で英語の絵本の読み聞かせ活動にも取り組んでいる。