
テルモヒューマンクリエイトのオウンドメディア運営事務局です。今回は甲府営業所(山梨県甲府市)所長 松永博史さんにインタビューしました。松永さんは、甲府営業所所長を務めながら、SDGsの取り組みを農業を通して実現させています。医療だけでなく、また違った形の社会貢献をゼロから造り出す松永さんと、それを楽しむメンバーの笑顔にも注目です。
スタートするも、農業経験者無し。船出は地域の皆様のサポートがあってこそ。
―― 山梨県で野菜作りをすることになったきっかけを教えてください
THC甲府営業所では、障がい者の法定雇用率を遵守していくにあたり、既存の労働環境では雇用に限度がありました。何か良いアイデアはないかと思考していたところ、山梨県内の高等支援学校で農業生産コースがあるということと、「農福連携」といわれる農業と福祉を合わせた取り組みを知り、もしかしたら障がい者の仕事として創出できるかもという思いで中央市農業振興公社に声をかけさせていただきました。
―― 取り組むにあたって苦労した点はどんなところですか
スタートにあたっては、農業経験者がひとりもいなくて畑は借りましたが何から手をつけていいのかわからず、農業振興公社や農業資材販売店などからアドバイスをいただき、始めたところです。 まずは、2020年8月から3名の社員で作業を開始して畑を耕し、肥料をまき、畝を作り、苗を植えました。最初にできたキャベツ・ブロッコリー・カリフラワーは思っていたより良い出来栄えで周囲のみなさまにも褒めていただき嬉しくなったことを覚えています。

―― 社会貢献を感じるときはどんな時ですか
微力ですが、山梨県の地域課題である耕作放棄地を活用して野菜作りをすることで景観の悪化や周囲の農地への悪影響を防ぐ一助となること、そして社会的自立を目指す障がい者への労働環境の整備をスタートさせたことです。
―― THCが考える社会貢献性とはどんなことですか
多様な人財の活躍の場を創出することや地域課題の解決、事業活動に伴う環境負荷への低減です。THCでは、障がい者・高齢者・外国人など多様な人財が共存して異なる意見や社会の声にも広く耳を傾け、それぞれが成長できるような企業を目指しています。
―― 野菜作りや社会貢献を通して得た経験はどんなことですか
新しいものごとに真剣に取り組むことで、社内の人間の理解が少しづつ得られていると実感しています。また、この取り組みに賛同いただける取引先の協力や畑の近隣の方たちの暖かい声掛けやアドバイスがあり、今までの業務以外のつながりを持てるようになったことは良い経験です。


―― メンバーの方々は野菜作りを始める前と今では変化を感じますか
メンバーが汗を流し、自然と向き合いながら働くことで笑顔が増えました。また、やりがいも感じて「〇〇の野菜を作ってみたい!」「こんなやり方がいいのではないか」など、積極的な提案があったり、みんなで話し合うコミュニケーションが増えています。
―― 会社として挑戦したいことや、目標があれば教えてください
THCでは、SDGsの取り組みとして障がい者雇用を推進し、多様な人財が活躍できる農業を実行するダイバーシティ&インクルージョンを展開しています。メンバーが笑顔で楽しく、積極的に参加できる仕事づくりを継続すること、安全でおいしい野菜を収穫して少しでもたくさんの人に食べていただくことを目標にしています。

【 編集後記 】
甲府営業所の所長として、営業所をまとめる一方、本記事のような多様性の受け入れと、社会貢献・地域貢献において社内でアイコンとなり、邁進されています。 現在利用している畑だけでなく、別の場所に広大な土地を借り、そこでも野菜作りにチャレンジされるとのことです。利益を追求するだけでなく、このような社会貢献活動を続けていくことで、テルモヒューマンクリエイトが地域に根差し、地域に愛される企業になっていくんだと取材を通して感じました。
経営管理責任者(当時、甲府営業所 所長)。2018年入社 入社後、富士宮営業所 製造派遣事業を担当し、多くの社員を迎え入れ、採用体制を構築。2020年に甲府営業所に所長として異動。現在は経営管理責任者として活躍。