テルモヒューマンクリエイトのオウンドメディア運営事務局です。今回は愛鷹工場TIS生産課DES担当(静岡県富士宮市)の佐野友也さんにインタビューしました。
大学卒業後はプロのギターリストを目指しバンド活動に熱心に取り組んでいたこともあるという佐野さん。地元の工場で11年間務めた後に、テルモヒューマンクリエイト(以下、THC※)に転職されてきました。育児休暇を取得してから長女がなつくようになったと喜ぶ佐野さんに、THCの福利厚生制度のことから今後の目標まで幅広くお話しをうかがいました。
福利厚生と自己成長。コミュニケーションが鍵となりワークライフバランスが豊かになる。
―― 佐野さんが11年間勤めていた工場から転職しようと思われたきっかけを教えてください
転職を考えるようになったのは、2021年に長女が生まれたのがきっかけです。仕事だけではなく家族との時間を意識するようになりました。以前は健康栄養食品とサプリメントの製造・加工などを行っている工場で働いていて、製品製造や包装作業、機械のメンテナンスとトラブル対応などを担当していました。
THCを転職先に選んだのは、従業員のワークライフバランスも尊重してくれる会社だということに加え、前職で培った包装工程のスキルも活かせて、キャリアアップに繋がる可能性もあると考えたからです。
―― お子さんの誕生をきっかけにワークライフバランスを見直し、またキャリアアップも考慮に入れて、というわけですね。実際に勤務してみていかがでしょうか
入社して2年半での感想になりますが、とても有給休暇が取りやすい環境だと思いました。前職では有休をほとんど使ったことがなく、1年で2日も使っていませんでした。仕事の内容的に休みにくかったのもありますが、取りにくい雰囲気だったことも一因だと思います。ここでは、テルモのアソシエイトもTHCのアソシエイトも有給をとっていて、「有給を取るのはお互い様」という意識があります。誰かが休みを取って空いた作業は、皆できちんとカバーし合っていますので、安心して休むこともできます。この雰囲気の違いは大きいと思います。
また、私は有給だけではなく、次女が生まれたタイミングで、合計4週間の育児休暇を取得することもできました。次女のオムツを替えたりお風呂に入れたりと世話をしましたが、それだけではなく、長女を外に連れ出したり、公園で遊んだりもしました。長女と過ごす時間が長くなったので、とてもなついてくれるようになりました。妻も、2人の面倒をみるのは大変な負担なので、私が育児休暇を取ったことを大変喜んでくれました。
―― 有給休暇や育児休暇を上手く使ってワークライフバランスを保っていますね。他にも福利厚生がありますが、いかがでしょうか
通勤手当がありがたいと思っています。自宅から工場まで片道で30kmあり、朝は1時間ほどかけて車通勤しています。前職の工場は自宅から近く、自転車で通うほどでしたので、この通勤距離や時間が不安でした。しかし、その分きちんと通勤手当が出ると思うと気が楽になります。ガソリン代もけっこうかかりますし。自宅から近い工場も候補として検討していましたが通勤条件を時間や距離だけでなく、手当ても含め、トータルで検討してよかったと思っています。
あとは、食堂が広くて綺麗ですしメニューも豊富です。初めて行った時は大学の食堂みたいだと思いました。夜勤の時は妻がお弁当を作ってくれますが、食堂が開いている日勤帯は食堂を利用しています。その分、娘2人の面倒をみている妻の負担が減りますので、食堂の存在は家族としても嬉しい福利厚生となっていると思います。
―― 佐野さんのワークライフバランスを保つうえで、福利厚生は役立っているようですね。仕事の方はいかがでしょうか
仕事も順調です。私の担当は、薬剤溶出型冠動脈ステント(DES:Drug Eluting Stent)の梱包作業です。ステントとは、狭心症や心筋梗塞などの治療に使用されるものです。梱包作業では、個別に包装されたDESに加え、説明書やインプラントカードなどを箱に詰めて梱包します。梱包のクオリティを保ちながら素早く作業を進めなければならないため、実際には非常に難しい作業になります。通常は1日に600個から700個の梱包作業を行いますが、入った当初は600個以下しかできませんでした。作業自体はシンプルに見えますが、DESは患者さんの体の中に残るものなので、DESの大きさや説明を記載したインプラントカードを含め、梱包物に間違いがあってはいけません。ひとつでも抜けると、患者さんや医師を困らせることになります。
責任を感じながら集中して作業していくので大変ではありますが、それだけ仕事のやりがいにもつながっています。また、国外向けはラベルの言語が違うので、それを見るだけでも「ここから海外に行くんだな」と、海外の医療現場とのつながりを感じることもできます。
―― 責任の重い仕事ですね。今後はどのようにスキルを上げていきますか
まずは現在担当している梱包工程の前にあたる包装工程を覚えていきたいと思います。自分ができる範囲を増やし、スキルを上げていきたいとの思いもありますが、梱包工程で課題となっていることを解決するために、前の工程である包装工程で取り組めることを見つけていきたいという思いもあります。
その後は、後工程である滅菌工程を覚えていきたいです。こちらは、滅菌工程をスムーズにするために梱包工程で取り組めるヒントやアイデアを見つけるためです。現在担当している梱包工程のクオリティーを上げるため、反省材料を探す感じでしょうか。
もちろん、私が前後の工程もできるようになると、誰かが休みを取ったときにカバーできる人材が増えることになりますので、休みやすい雰囲気の維持にもつながると思っています。
―― ご自身のスキルを上げるだけでなく、業務改善から休みのとりやすい雰囲気作りまで考えているのですね。最後に、今後の目標を教えてください
スキルを磨いていくことも大事ですが、コミュニケーションを意識して仕事をしていきたいと思っています。生産しているのは物ですが、関わっているのは人です。だからこそコミュニケーションが重要だと思っています。今の職場は年齢が若い方が多く、私よりも一回りも違う方と仕事をしています。
前職では、私が部下や後輩の指導をしていましたが、今は私が後輩で若い方から教えてもらう立場です。そのこと自体については気にしていませんが、「どのようにコミュニケーションをとっていくか」については気をつけなければいけません。人ですので時にはイライラしたり衝突したりします。前職の工場でもありましたが、とても嫌なことだと感じていました。
それらを回避するには、仕事以外でも関わりを持つことでお互いの距離を縮めていくことが大事だと思っています。また、それだけではなく、先ほどの他の工程を覚えることも大事だと思っています。
例えば、前の工程を知っていれば、遅れたときでも理解できて、むやみにイライラすることもなくなると思いますし、むしろ必要であれば手伝うことができます。
他の工程を学ぶことでイライラや衝突がなくなり、しかも自身の成長にも繋がり、皆がより休みやすくなる。休みがとりやすくなると、ワークライフバランスも充実するので、仕事にも集中できます。工場にとって良い循環が生まれます。
今後は、自分のスキルを上げてキャリアアップを目指すだけではなく、コミュニケーションを意識して、良い循環をたくさん作っていきたいと思います。
【 編集後記 】
私達に、ご自身のスキル向上やキャリアアップを目指すだけではなく、コミュニケーションを意識していくと教えてくださった佐野さん。THCに入社する際には、コミュニケーション能力に関する勉強をされたそうです。また、佐野さんは、前職での教える立場から教わる立場へと逆転したことを利用して、どの様な教え方や伝え方がわかりやすいのか、教わる立場から観察しているとのこと。前後の工程を体験することで気づきを得ようしていることは本文でお伝えしましたが「相手の立場を体験して学ぶ」ことを常に実践されている様子に、終始感銘を受けるインタビューとなりました。
(※)THC=テルモヒューマンクリエイト株式会社
テルモヒューマンクリエイト株式会社 愛鷹工場TIS生産課DES担当
大学卒業後はプロのギターリストを目指しつつ、ギター教室の講師業に就く。その後、地元の工場での11年間の勤務を経てTHCへ入社。ワークライフバランスを大切にし、家庭だけでなく、職場でのコミュニケーションにも気を配り、お互いが衝突しない雰囲気作りに取り組んでいる。