
テルモヒューマンクリエイトのオウンドメディア運営事務局です。今回は愛鷹工場の愛鷹ラボ管理グループに所属する和田真里恵さんにインタビューしました。9年間の専業主婦を経て、テルモヒューマンクリエイト(以下、THC)に入社した和田さん。現在は組織づくりのプロフェッショナルとして活躍しています。和田さんには、入社のきっかけから現在の仕事内容、そして仕事と家庭の両立について率直にお話をうかがいました。
熱いお茶で気がついた。子離れの葛藤と社会復帰の嬉しさの両極端の想い
―― THCに入社する前は専業主婦だったとうかがいました。働きに出ようと思ったきっかけを教えてください
結婚してから9年間、専業主婦をしていました。富士市に住んでいますが、こちらは縁もゆかりもない土地なので預け先がなく、夫とふたりで子どもを育ててきました。そのため、人に預けてまで働きに出るということは考えてもいませんでした。
そんな生活を変えたのは2016年の熊本地震です。地元が震源地でした。大きな被害を被り、母や姉の家族も避難してきて3か月間一緒に生活したほどです。その後、震災関連での出費があるだろうと予想して、思い切って働きに出ようと決意しました。
9年間の専業主婦生活では、鉛筆を持ったり、パソコンを触ったりすることはありません。そのため、自分は何もできない人間であり、社会に取り残されているように感じていました。

―― そんな状況で、すぐにTHCに入社されたのでしょうか
9年間の間に社会は大きく変化しているように感じましたし、実際にそうでした。ニュースもネットも育児以外の情報に触れる機会がなかったので 社会復帰への不安がありました。
まずはお金がかからないYouTube動画でビジネススキルに関する知識やスキルをアップデートして、内職や配達の仕事で外の社会に慣れることから始めました。THCに入社するまででしたので、8ヶ月くらいです。この経験はTHCの仕事を始めるための自信になりました。
入社してから3年間は理化学試験を担当しましたが、試験の仕事は根気強さや集中力が必要となります。内職では2歳の子どもが周りで「お母さん、お母さん」と呼んでいるような環境でも集中して正確に作業しなければいけませんでしたし、仕事と子育ての距離感を徐々に身に着けられるいい機会になりました。
また、YouTube動画では、登壇しているスタートアップ企業やベンチャー企業の社長達の言葉を聞いて力付けられ、彼ら彼女らのような環境で働きたいと決意することができました。THCを選んだ理由も、当時試験センターが設立されて1年の頃だったので、スタートアップ企業やベンチャー企業のように新しい組織が立ち上がっていく様子を見ることができると考えたからです。
―― 実際に入社されてみて大変だったことはありますか
専業主婦になる前は、業界は違うものの理系技術職に従事していました。そのため、試験器具を扱うことに高いハードルは感じませんでした。業務の手順もしっかり決まっていますし、何よりも周囲の方々が丁寧で、わからないことがあったらすぐに教えてもらえる環境でした。
むしろ、大変だったのは子離れでした。自分の子どもを他人に預けることに対して、とても罪悪感があり、「これでいいのだろうか」と自分を責め続ける時期がありました。ただ一方で、「自分の時間がある」という開放感もありました。職場で熱いお茶が目の前に出てきたときにビックリする自分がいました。小さな子どもはすぐに手を出すので、家では食べ物も飲み物も熱いうちには出さないからです。ちなみに、専業主婦の時はテレビにおいても、子どもと一緒にEテレしか観ない生活でした。
熱いお茶を飲んだときに、「あ、出産前の20代ってこんな世界を生きていたんだ」と社会で活躍していた当時が突然蘇ってきたのです。そんな、子離れの葛藤と社会復帰の嬉しさの両極端の想いがありました。

―― 現在の仕事内容について教えてください
現在は試験の仕事ではなく、管理グループでEHSマネジメントシステムの推進や、組織づくりに携わっています。EHSマネジメントシステムとは職場での環境(Environment)、健康(Health)、安全(Safety)を守る取り組みです。両者とも、何かを企画して働きかけていくことが多くあります。こちらからビジョンを押しつけることなく、アソシエイトの皆さんが「こうしたい」と思っていることを、具体的な形にして、実現させることを大切にして取り組んでいます。また、どうしてもTHCの経営側と現場とでやりたいことが異なってくるケースも出てきますが、そんなときには両者を繋ぎ止める役割も担っています。船が岸からどんどん離れていこうとするのを繋ぎ止めるロープのような存在だと心がけています。
―― 専業主婦からの社会復帰は順調に進まれているようですね。最後に、THCへの入社を検討している方へメッセージをお願いします。
THCへの入社を考えている方に、私の経験を踏まえて3つのことをお伝えしたいと思います。
まず1つ目は、難しそうに見えても、ぜひチャレンジしてほしいということです。THCのホームページを見ると、見慣れない言葉や専門用語がたくさん出てきて、敷居が高く感じるかもしれませが、実際に入ってみると丁寧に教えてくれる環境があり、わからないことがあってもすぐに質問できる雰囲気があります。「自分には無理かもしれない」と思わずに、ぜひ挑戦していただければと思います。
2つ目は、プライベートの時間や体力を確保しながら働ける環境があるということです。THCでは、仕事とプライベートのバランスを大切にしています。私自身、入社当初は週4日勤務からスタートし、徐々に勤務時間を増やしていきました。今でも朝は30分遅れての出勤を認めてもらっています。
3つ目は、ライフステージの変化に合わせて働き方を調整できるということです。男性もですが、女性は特に、結婚、出産、子育てなど、ライフステージの変化が大きいと思います。THCでは、そういった変化に対応しやすい環境です。また、キャリアについても、私のように試験業務から管理業務へ移るなど、自分の状況や希望に応じて変更できる可能性があります。
これらに加えて、最も心強いと感じるのは、一緒に考えてくれる仲間がいることです。THCには、同じように家庭と仕事の両立に奮闘している同僚や、経験豊富な先輩たちがいます。困ったときはお互いに相談し合い、アドバイスをもらえる。そんな環境があることで、一人で抱え込まずに仕事を進められます。
特に私のように専業主婦として一度仕事を離れていた方などは、不安がらずに、ぜひ一歩を踏み出してみてください。きっと、新しい可能性が開けると思います。THCという場所で、皆さんとご一緒に働ける日を楽しみにしています。

【 編集後記 】
専業主婦から社会復帰を果たし、現在は組織づくりのプロフェッショナルとして活躍する和田さんのお話しからは、多くの気づきと励ましを感じました。社会復帰への不安を段階的に克服されたアプローチや、「熱いお茶」のエピソードを通じて語られた専業主婦と社会人生活の違いに心動かされた方は少なくないと思います。
THCがライフステージの変化に対応できる職場であることや、「船を繋ぎ止めるロープのような存在」として組織の調和を保つ和田さんの存在は、ロールモデルとして、家庭と仕事の両立に悩む方々に新たな希望を与えてくれると思った、そんな印象深いインタビューとなりました。
(※)THC=テルモヒューマンクリエイト株式会社
テルモヒューマンクリエイト株式会社 愛鷹工場 愛鷹ラボ 管理グループ
大学卒業後、研究職を経験。結婚を機に退職し、9年間の専業主婦生活を送る。2017年にTHCに入社。現在は管理グループで組織づくりに携わり、EHSマネジメントシステムの推進を担当。仕事と家庭の両立に奮闘しながら、理想の組織づくりに挑戦している。