テルモヒューマンクリエイトのオウンドメディア運営事務局です。今回は試験センター富士宮ラボ理化学グループの高野秀太さんにインタビューしました。
野さんは食品業界で5年間務めた後にTHC※1へ転職。未経験ながらも、充実した教育体制と自身の工夫により着実に成長し、入社2年でチームリーダーを任されるまでになりました。
転職の決め手となったもの、そして様々な挑戦を後押しする職場環境について、お話を伺いました。
異業種の経験が、今のリーダーシップの土台に。「仲間を支える」想いは、どの業界でも変わらない
―― THCに転職されたきっかけを教えてください。
前職では食品会社で5年間、品質管理などを担当していました。途中で工場の現場へ異動になったことを機に、より安定したキャリアを考え転職を決意しました。
転職活動で希望したのは、「品質管理の経験を活かすこと」と、大学院時代からの夢だった「医療系の仕事に挑戦すること」の2つです。新卒の就職活動でTHCの親会社であるテルモに挑戦したのですが、その時は縁がありませんでした。
それから5年、THC正社員の募集を見つけたときは「ここなら、あの時の夢と今の経験、両方が叶えられる」と思いました。また、妻の出身地であり、私自身も高校時代を過ごした静岡という土地柄も後押しとなり、迷わず応募を決めました。
―― 実際に入社してみて、どんな印象を持ちましたか?
安全に対する考え方の強さに驚きました。前職でも安全への取り組みはありましたが、THCではアソシエイト※2全員が一緒になって安全活動に取り組んでおり、その意識の高さに感銘を受けました。
例えば、月1回のKYK(危険予知活動)では、写真に潜む危険をチーム内で洗い出し、注意喚起し合っています。その光景は前の会社では考えられないもので、会社全体の安全に対する本気度を実感しました。
―― 未経験からのスタートで、どのように仕事を覚えていきましたか?
試験業務は未経験で、最初は器具や試薬の多さに戸惑いました。しかし、その不安は手厚いサポート体制のおかげで、すぐに解消されました。周りの方から常に教えてもらえる体制で、困ったときには気兼ねなく質問できることが本当に心強かったです。
そんな中で、私自身が特に工夫したのはマニュアル作りです。手順書に器具の写真を加えたり、作業の流れを写真付きでまとめたりしました。これが復習に役立ち、スムーズに業務を覚えることができました。
こうした現場での手厚いサポートに加えて、会社の研修制度も非常に充実していました。入社時の研修で医療業界の基礎から学べますし、テルモの製品について知る機会もあり、「自分の仕事がこの製品の一部を支えているんだ」と実感できたことは、大きなモチベーションになりました。資格取得支援として、会社が推奨する検定(QC検定など)に合格すると、受験費用の補助が受けられる制度もあります。
今年4月に部署異動になり、現在はリーダーを任されていますが、リーダー教育も充実していて、e-ラーニングを始めとする研修から対面でのコミュニケーション研修、さらには外部研修への参加も積極的に勧めてくれます。
先日参加した全国産業安全衛生大会では、他社の安全への取り組みから大きな刺 激を受けました。そして何より嬉しいのは、学んだことをラボ長がヒアリングして吸い上げてくれることです。参加した人たちを呼んで良かったことを聞いてくださって、「じゃ、これやっていこうか」という形で、実際に会社の活動に取り入れてもらえる。こうした学びが会社の改善に繋がるこの仕組みは、大きなモチベーションになります。
―― 初めてのリーダー職で、大切にしていることは何ですか?
正直、大変なことばかりです。メンバーは全員年上の方たちなので、言葉の一つ一つに気を配っています。そんな中で私が常に心に置いているのは、前職の食品工場でベテランの先輩に言われた言葉です。
少し前職での業務を説明します。私はラーメンの麺を作る工程を担当していました。麺を作ると、その後は包装される工程に行くのですが、そこから多くのパートさんが担当するゾーンになります。
その時にベテランの先輩に言われました。「僕らの仕事は麺を流して、パートさんに楽をさせるのが仕事だ」と。変な麺を流せばパートさんは大変ですが、ちゃんとした麺を流せば楽になる。その言葉を聞いて、「なるほどな」と、すごく納得しました。
THCでも多くのアソシエイトたちが現場を支えているのを見て、あの時の気持ちが蘇ってきました。入社してすぐから、チームメンバーが安心・安全に、やりがいを持って働ける環境を作ることが、社員の最も大切な役目だと考えるようになりました。皆さんが楽に働けるように、チームの潤滑油のような存在でありたいと常に意識しています。
―― どんな方がラボ業務に向いていると思いますか?
まず、ルールを守る真面目さは不可欠です。医療に関わる仕事なので、「これぐらいは良いでしょう」という中途半端な気持ちでは駄目です。でも、真面目なだけでは面白くないので、バランスも大切だと思います。
あとは、探求心がある方でしょうか。試験業務は、一見すると決められた手順通りにやる単純作業に見えるかもしれませんが、私はそこに大きなやりがいを見出しています。「なぜこの試験が必要なのか」「この結果が何を意味するのか」を常に考えることで、単純作業が「探求」に変わります。
「探求」に変わると、自然と「もっとこうしたら良いのでは」という提案が生まれてきます。THCの良いところは、そういった提案をちゃんと聞いてくれることです。私の例ではありませんが、上司が手順書の改善提案を請負先のテルモに提案してくれて、それが採用されたこともあります。
「結果が出て、はい終わり」では終わらない。「なぜそうなったのか」という理由まで考えていると、自分の考えが会社の改善に繋がっていきます。そこに社員としての意味があり、仕事の面白さがあると思っています。 だから、現状に満足せず考えることが好きな人。単純作業の中にも探求心を持って楽しめる人。
そんな方なら、THCではきっと活躍できると思います。
―― 応募前の自分に声をかけるなら、どんな言葉をかけますか?
そうですね、もし迷っている過去の自分に会えるなら、「ここは色々なことにチャレンジができて、本当に楽しいぞ」って自信を持ってこう伝えると思います。
【 編集後記 】
今回のインタビューで最も印象に残ったのは、高野さんがメンバー一人ひとりを大切にし、チームの潤滑油のような存在でありたいと願う姿勢でした。リーダーに就く前から、周りのメンバーの小さな声に耳を傾け、それを上に繋ぐ「架け橋」としての役割を、自ら進んで担ってこられたそうです。
なぜ高野さんはここまでチームを大切にするのか。お話を伺う中で、その答えの一端が見えた気がしました。高校時代、静岡へサッカー留学をされた高野さん。親元を離れ、寮生活を送りながらチームメイトと切磋琢磨した日々。「チームのために」「仲間のために」という想いは、きっとその頃から高野さんの中に根付いていたのでしょう。食品業界での5年間を経て、今、THCでチームを支える存在として活躍する高野さん。これまで歩んできた一つひとつの経験が、今のリーダーシップの確かな土台になっているのだと感じました。
今後も「本音によりそい、働き心地をずっとよく」を軸に、より良い職場づくりと組織の成長が期待されます。
次回の更新も、どうぞお楽しみに。
(※1)THC=テルモヒューマンクリエイト株式会社
(※2)アソシエイト=テルモグループで働く方々の総称
テルモヒューマンクリエイト株式会社 試験センター富士宮ラボ 理化学グループ
大学院で医療系の研究に従事。卒業後は食品会社で5年間勤務し品質管理業務などを経験。医療への想いと、より安定したキャリアを目指して2023年にTHCへ転職。試験業務は未経験ながらも着実に成長し、入社2年目でチームリーダーに抜擢。組織の潤滑油を目指しメンバー一人ひとりを大切にするマネジメントを実践している。小中高とサッカーに打ち込み、高校時代はプレーを極めるために北海道から静岡へ単身サッカー留学を果たす。寮生活を送りながらチームで切磋琢磨した経験が、今のチームを大切にする姿勢の原点となっている。