
テルモヒューマンクリエイトのオウンドメディア運営事務局です。今回は愛鷹工場TIS生産課DES担当(静岡県富士宮市)の旭一憲さんにインタビューしました。
旭さんは入社2年目ですが、前職の自動車工場では18年の経験がありますので、製造業のくくりでは20年のベテランです。入社当初、「工場の食堂なのにこんなに!」と、品揃えの豊富さに驚いたそうです。そんな他社の工場を知る旭さんに、異業種から見たテルモ工場の仕事についてお話をうかがいました。
これまで製造業で培った知識や経験を活かしてよりよい工程作りに貢献したい。また、新入社員や若手社員へ技術を伝えられる存在になりたい。
―― 旭さんは、自動車工場に18年間お勤めされた後にTHCに入社されたとのことですが、どのような経緯だったのでしょうか
自動車業界は生産量の浮き沈みがある業界ではあったのですが、ここ数年の新型コロナウイルスや半導体不足などの影響は特に深刻で、生産量がかなり落ち込んでしまいました。
勤めていた自動車工場には、高校卒業後から18年間在籍し、管理職にまでなることができていましたが、これから先のことを考えると、もっと安定した業界に身を置きたいと思うようになりました。転職は1年、2年くらいのスパンで構えていましたが、最初に見つけた求人情報が最も行きたかったテルモ工場での仕事で……。実は、高校生の頃に就職先として希望していたのがテルモの工場でした。
―― 高校生の頃からテルモを志望されていたのですか
ものづくりに興味があったというよりは、長く必要とされる仕事に就きたいと思っていました。医療に関わる仕事であれば、何年も必要とされます。医療の仕事の中でもテルモを選んだのは周りからの評判です。
私は富士宮で育ちまして、富士宮の工場に勤める高校の先輩からも職場の雰囲気を聞いていました。ただ、残念なことに、当時は募集していなかったため、他への就職となりました。
―― 社会経験の長い旭さんから見た、THCの魅力について教えてください
やはりテルモ株式会社への正社員登用制度があることでしょうか。他ではあまり聞くことがありません。また、とても相談しやすい環境であることも魅力のひとつです。入社後3ヶ月面談をはじめとする、悩みや不安を聞き出してもらえる仕組みがあります。
工場で働き始めるとTHCとの接点が少なくなりますので、こちらから働きかけなくとも色々と聞いてもらえる環境があるのは嬉しいことです。THCだけではなくテルモ全体の魅力としては、無理な残業がないどころか、家庭の事情でも休みやすく配慮してくれるところだと思います。「働く人を大事にしている会社」であることを実感しています。

―― 制度以外での魅力はありますか
室温が保たれている中で働けることは魅力です。以前勤めていた工場は建物が広い吹き抜けのようになっていて、夏は暑く冬は寒い環境でした。一般的に自動車工場では、扱う部品や機械が小さな物から大きな物まであるため、作業場所を細かく間仕切ることができません。当然、空調の効率は悪くなります。また、油圧を使って機械を動かしているので、とても熱くなっており、熱が篭もるのを防ぐために窓を開けっ放しにしています。やむを得ないことだと思いますが、油の臭いも服や髪の毛につきますし、今の環境になって「随分と大変な環境で働いていたんだな」と実感しているところです。
―― 扱う製品によって、労働環境が随分と変わるものですね、他にありますか
労働環境の他にも、テルモでは時期によって残業が凄くあったり無かったりすることがないので、毎月の給料が安定しているということも魅力として挙げられます。職種が違っても周りから教えてもらえますので、異業種からの転職でも安心です。医療関連の製品なので、製造現場でも、薬機法(旧・薬事法)などの独自の難しいルールや、聞き慣れない用語が出てきますが、それは社員に聞けばすぐに答えてくれます。
―― 現在どのような仕事を担当されていますか
カテーテルの先につけるステントの外観検査を担当しています。簡単に説明すると、カテーテルは血管の中を通す細い管です。ステントは狭くなった血管を内側から押し広げてくれるデバイス(道具)です。血管の狭くなった箇所までカテーテルでステントを運び、血管を押し広げます。
私が検査する前の工程では、そのステントの先頭にプライマーという下地の液を塗り、正しく塗られたか検査します。その後、薬液を塗りますが、私はその塗りが正しく施されているか、ゴミがついていないかなど、顕微鏡を使って検査しています。
―― 何人くらいの体制で担当されていますか
その時の生産数に応じて体制が変わりますので、一概に何人体制とは言えません。生産量が増えると、他の工程に応援に行っていた方が戻ってきたり、逆に、生産量が減ると応援に行ったりして調整されています。
これは場当たり的に調整されているわけではなく、一人でこなせる量をきちんとシミュレーションして計算していますので、それに合わせた計画的な要員計画の下で管理されています。一人を投入するまでもない時には少しずつ残業を振り分けますし、人を入れる時でも、余力があるうちに入って作業を覚えてもらい、増産に備える段取りになっています。
私にも生産見込みを事前に教えてもらえるので、残業をどうするのか、教育を誰が担当するのかなど、先の業務について案を出すこともあります。

―― 作業を正確にこなすだけではなく、マネジメントにも主体的に参加されていますね。今後実現させたいことはありますか
まずはテルモの正社員になり、その後はリーダーを目指したいと思っています。
私の部署は、立ち上がって4年くらいと歴史が浅い部署です。私が入った頃はまだテスト生産だったくらいです。工程の仕組みや流れなどに、まだまだ改善の余地があると考えていますし、これからも未経験の新人がたくさん入ってくる部署になるはずです。
これまで製造業で培った知識や経験を活かしてよりよい工程作りに貢献していきたいですし、新しく入ってくる人や若い人達に対して技術を伝えられるようになりたいです。
今も気づいたことや考えたことを聞いてもらい、実施していることはありますが、正社員になり扱える業務を増やし、リーダーとして責任を持って組織全体を改善できるような存在になることを目指しています。異業種からの未経験での転職でも、このようにやる気があれば実現できる土壌があるのも魅力のひとつですね。
【 編集後記 】
旭さんが高校生の頃にテルモの工場勤務を志望されていたことを知り、大変驚きました。18年の時を経てご縁があったことを嬉しく思っています。現場での業務提案など「前職で管理職を経験しているので、ついつい首を突っ込んでしまう」と笑顔で語った旭さんですが、異なる製造現場からの視点はテルモにとっても大変ありがたい改善のヒントになっていると思います。また、本文では触れていませんが、ご自身がリーダーになれた時のアイデアも既にお持ちで大変心強く思っています。今後、THCの業務改善にもヒントをいただければなと願っています。
(※)THC=テルモヒューマンクリエイト株式会社
テルモヒューマンクリエイト株式会社 愛鷹工場TIS生産課DES担当
製造業歴20年、管理職経験者。高校生時代よりテルモ工場に興味があっただけではなく、前職で親しくしていた方からもテルモの工場を勧められ、他社を受けずにTHCに転職を決める。自身が未経験入社で業務をこなしてきた経験を活かし、未経験者でもより一層活躍しやすい組織作りを夢みて、正社員登用、リーダー昇進を目指す。