テルモヒューマンクリエイトのオウンドメディア運営事務局です。今回は愛鷹工場 TIS生産課GWの及川隆成さんにインタビューしました。
及川さんは未経験でTHC※1へ入社し、現在4年目。血管内治療に使われるガイドワイヤーの最終検査を担当しています。
入社当初は「見逃したら取り返しがつかない」というプレッシャーの中で悩んだこともあった及川さん。今では自ら課題を見つけ、改善を任されるまでになりました。
医療を支える製造現場でのやりがいと成長について、お話を伺いました。
患者さんに届く前の最後の砦。自分の基準を厳しく持ちながら、仲間とともに品質を守る
―― まず、現在の仕事内容を教えてください。
ガイドワイヤーという、カテーテル治療で血管の中に入れる製品の検査をしています。確認するのは大きく2つです。一つは、部材がきちんと付いているかどうか。もう一つは、包装がきちんと密封されているかどうかです。
ガイドワイヤーは滅菌された状態で包装され、その無菌状態のまま医療現場に届けられます。袋を密封している接合部に小さな穴や隙間があったり、空気が漏れていたりすれば、せっかくの滅菌が保てません。よって、特に包装が確実に閉じられているかを、一つひとつ確認しています。
自分の工程は最終点で、この後は出荷だけです。もしここで穴や隙間を見逃してしまったら、無菌が保てていない製品がそのまま市場に出てしまいます。患者さんの体内に入ったら大変です。取り返しのつかないことになりますので、プレッシャーは常にあります。
―― 4年間で、一番苦労したことは何ですか?
やはり最初の頃です。製品は次々と流れてくるので、品質を維持しながら、そのスピードにもついていかなければなりません。正直、最初の1~2か月は「やっていけるかな」と思っていました。
溜まったものを捌かなければいけないのに、焦って捌いて後で問題になったらどうしよう、と。そこを支えてくれたのが、周りのアソシエイト※2の方たちでした。
「大変だったら止めていいし、協力もするから」と、気軽に声をかけてくださいました。
それでも最初は、皆さんも自分の仕事を抱えている中で手を止めてもらうのは申し訳ないと思い、自分から頼むことができませんでした。それでも声をかけ続けてもらううちに、自分から「少し止めます」と言えるようになり、一人で焦っていた不安が少しずつ薄れていきました。
今では、検査が溜まってきたときには周りに手伝ってもらい、逆に自分が他の工程を手伝うことも多く、その辺はお互い様です。経験を重ねて検査のスピードも上がり、周りの流れも見ながら動けるようになったと思います。
―― そもそも、THCに応募したきっかけは何だったのでしょうか?
高校卒業後は工場で働いていましたが、次第に長く働ける環境とより安定したキャリアを求めるようになっていました。そんなときに目にしたのがTHCの求人情報です。
母の友人がTHCに勤めていて、「いいところだよ」という話を以前から聞いていたこともあり応募を決意しました。大手のグループ会社という安心感に加えて、休日や働きやすさの面でも自分に合っていると感じたことが、決め手になりました。
―― 仕事に慣れてからは、どんなことに取り組んでいますか?
最近は検査以外のことにも挑戦させてもらっています。例えば、包装後の製品に部材が正確に入っているかを重量計で確認する作業があるのですが、以前は製品の種類ごとに2台の重量計を使い分けていました。
「1台にまとめられないか」と提案したところ、「やってみて、ダメなら戻そう」と受け入れてもらえました。実際に1台にしてみると、作業がシンプルになり、机も1つ減って作業スペースが広がり、作業効率が上がりました。提案を皆さんが快く受け止めて、一緒に取り組んでくださったのがうれしかったですね。
また、リーダーから声をかけてもらい、作業手順書をより分かりやすくする作業にも取り組ませてもらっています。こうして任される仕事が増えてきて、自分の成長を実感できることが、今のやりがいです。
―― 医療機器を扱う仕事として、意識していることはありますか?
ガイドワイヤーは血管の中に入るものです。機械を通して製品が出てくるので、ごくわずかな油や汚れが付いていることもあります。「これくらいなら」と思えるほど小さなものでも、体内に入ってはいけないものであることに変わりはありません。
だから、判断に迷う場面ほど、自分の中の基準を厳しく持つようにしています。そこまで厳しく見るのは、自分の前にたくさんの工程があり、それぞれの担当の方が同じ責任感で製品を仕上げてきているからでもあります。
最終検査は、その皆さんの仕事を受け取って、出荷前にもう一度きちんと確認する役割です。皆で積み重ねてきたものを最後に確かめている、という感覚でいます。
―― 働く環境についてはいかがですか。
皆さんが普通に休みを取っているので、自分も気兼ねなく休みを取れる職場です。基本的に土日祝日が休みということもあり、友人と予定を合わせやすくなりました。
それから、入社して驚いたのは、工場の中が常温に保たれていることです。以前の工場では夏は暑く、冬は寒いのが当たり前でしたから、作業環境が快適であることは衝撃でした。製品のために温度を一定にしているのだと思いますが、働く側にとってもストレスがありません。
仕事終わりには、職場の方に誘われて始めた筋トレのジムに、3人くらいで一緒に通うこともあります。仕事の中では協力し合い、仕事の外では一緒に楽しめる仲間がいるというのは大きいですね。
―― 今後の目標を教えてください。
将来は家族を持ちたいと思っています。そのためには、安定して長く働き続けられる基盤が必要です。会社から必要とされる存在であり続けることが、その基盤になると思いますので、任される仕事を広げて、貢献できることを増やしていきたいと考えています。
これまでは生産性を上げるための改善に取り組んできましたが、面談で「品質の面ではどうですか」と聞かれたとき、まだ手を付けられていないことに気づきました。不良箇所をより確実に見つけ出せるよう、検査の精度をさらに上げる取り組みを、これから考えていきたいと思っています。
―― 応募を検討している方へメッセージをお願いします。
医療機器の仕事と聞くと、難しそうだと感じる方も多いと思います。しかし、ここは初めて医療機器に触れる方がほとんどの職場で、自分もそうでした。独り立ちしたあとも、どこまでが良くてどこからが駄目なのか、判断に迷う場面はあります。
そんなときには周りに聞ける人がいて、一緒に考えてくれます。自分もそうやって周りに支えてもらいながら、できることを一つずつ増やしてきました。
今では自分から改善を提案できるまでになっています。最初から一人で全部できる必要はありません。不安があっても、ぜひ一歩踏み出してみてください。
【 編集後記 】
取材中、何度も感じたのは及川さんの責任感の強さでした。高校時代の話を聞くと、返ってきたのは青果売り場でのアルバイトの話です。野菜を並べ、箱に詰める、お客さんに出す前の作業を3年間続けていたそうです。その責任感は、自分の手を離れた先に誰がいるのかを意識した責任感なのだと感じました。だからこそ、わずかな不具合も許さない。 野菜に多くの人の手と思いが込められているように、今の仕事も、いくつもの工程を経て仕上げられた製品を最後に受け取り、確かめ、患者さんのもとへ送り出す役割です。この役割を高校生の頃から担い続けてきたところに、及川さんという人の良さが表れているのだと思いました。入社当初は一人で抱え込んでいたその責任感も、今は周りに頼ることを覚え、仲間とともに職場全体をよくする力に変わりつつあります。今後の活躍に期待しています。次回の更新も、どうぞお楽しみに。
(※1)THC=テルモヒューマンクリエイト株式会社
(※2)アソシエイト=テルモグループで働く方々の総称
テルモヒューマンクリエイト株式会社 愛鷹工場 TIS生産課 GW
静岡県出身。高校卒業後、工場勤務を経て、母の友人の紹介をきっかけにTHCへ入社。現在4年目で、ガイドワイヤーの最終検査を担当し、出荷前の「最後の砦」として品質を守る。近年は重量計の統合による作業効率化や手順書の詳細化にも取り組む。平日は仕事帰りに、職場で意気投合した同僚たちとジムへ。誘われて始めた筋力トレーニングが今では週4~5日の日課となるまでに発展。休日は友人と過ごすなど、仕事もプライベートも充実した日々を送っている。